一級建築士独学diary 構造~鉄骨造(S造)溶接~
一級建築士の学科試験 独学勉強記録です。
前回は鉄骨造で必ず試験に出てくる高力ボルトについて勉強しました。
高力ボルトについてはこちら↓↓↓
今回は接合部つながりで溶接について勉強していきます。
溶接とは接合部を加熱、溶融して一体化する方法です。
建築ではアーク溶接が最も良く使われています。
ふとアークってなんだろうと気になって調べてみたところ、
『電圧をかけてくと電極間に電流が流れると同時に強い光と熱が発生する放電現象』らしいです。
ちょっと難しいのでここはさらっと流しておきます。
アーク溶接の形式には、以下3つがあります。
職人さんが溶接棒を取り付けて溶接を行う被覆アーク溶接(手溶接)
溶接材のワイヤーは自動で供給されて溶接作業は人の手で行う半自動アーク溶接
溶接材の供給も溶接作業も機械で行う自動アーク溶接
それぞれ溶接個所や目的に応じて使い分けます。
次に溶接の継ぎ目の形式です。
主に一般的なのが、完全溶込み溶接や部分溶込み溶接を行う開先(グループ)溶接と
隅角部など直交する部材を溶接する隅肉溶接です。
その他特殊なものとしてプラグ溶接とスロット溶接等があります。
溶接には開先形状やのど厚、ルート、欠陥のアンダーカット、許容応力・・・etc、覚えることはたくさんありますが、慌てず過去問中心に追々勉強していきます。
- 強度の異なる鋼材を突合せ溶接する場合、溶接部の許容応力度は強度の低い方の許容応力にあわせ安全側の設計とする。
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溶接部の強度を低下させないためにパス間温度が規定値より小さくなるように管理する。
パス間温度は多層溶接の時に次のパスにいく直前の前の溶接の温度のことで、溶接部は冷却速度が遅いと強度・靭性が低下する。パス間温度が高いということは冷却速度が遅いということ。 -
溶接継目ののど断面に対する許容応力度は、完全溶込み溶接(突合わせ)と隅肉溶接(突合わせ以外)のせん断はどちらも同じ。
長期許容応力は"せん断"と"突合わせ以外"は1/√3が付く。 -
組立溶接おいて、極端に溶接長さが短いと急激に硬さが上昇し割れの原因となるあため、ショートビードとならないよう適切な溶接長さを確保する。
JASS6では、 t≦6mm→30mm t>6mm→40mm - 溶接施工時の低温割れを防止するため予熱を行う。
予熱は冷却速度を遅らせ溶接部の硬化を低減させるため、低温割れを防止する事ができる。 - 突合せ溶接(完全溶け込み溶接)において、許容応力度は母材と同じ値とすることができる。
- シャルピー衝撃試験の吸収エネルギーが大きい鋼材を使用することは、溶接部の脆性的破壊の防止に有効。シャルピー衝撃試験とは振り子式ハンマーで試験片を破壊した時のハンマーの角度から吸収エネルギーを求める。吸収エネルギーが大きいほど粘り強い材となる。
- 中空の角型鋼管の柱にそのまま梁をつないでいるだけだと柱がつぶされるためダイアフラムを使用して梁フランジとダイアフラムを溶接で一体化する。ダイアフラムは梁フランジの2サイズアップとし、ダイアフラムの厚み内部で溶接する。
- 通しダイアフラムと梁フランジの突合せ溶接部において、仕口のずれの許容値は、鋼材の厚さt≦ 15 ㎜の場合は1.5 ㎜以下、15<tの場合は厚さの1/10の値以下かつ3㎜以下とする。許容値を超えた場合は適切な補強を行えば良い。
鉄骨造に溶接は欠かせない部分なので、まだまだ覚えないといけない事は山ほどありますが基本的な部分はこの辺で。
焦らずコツコツいきましょう。
その他鉄骨造関連は下記に記載しています。