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一級建築士独学diary 構造 ~鉄骨造(S造)横補剛~

本日は横補剛について勉強していきます。

◆本日のStudy!◆【構造】鉄骨造  横補剛
  1. H形鋼等の梁が曲げを受けたとき、ねじれを伴って圧縮側のフランジが面外にはらみ出して座屈する現象を横座屈という。

  2. 横補剛には、「梁全長にわたって均等間隔で横補剛する方法」、 「梁端部に近い部分を横補剛する方法」がある。

  3. 許容応力度設計による場合、圧縮材に作用する圧縮力の2%以上の集中力が加わるものとして設計することができる。

  4. 梁に均等間隔で横補剛材を設ける場合、梁をSN400B材から同一断面のSN490B材に変更すると、横補剛の数が増える。
    λ≦170+20n(400N/mm²級炭素鋼)
    λ≦130+20n(490N/mm²級炭素鋼)
    λ:細長比(座屈長さ/断面二次半径)n:補剛数

  5. 横補剛材は、十分な強度と剛性を有する必要がある。

 

横補剛は梁の横座屈を防ぐ為の補強材です。

横座屈ってどんな現象??

座屈については幅厚比、細長比の回でも少し出てきましたね。座屈は材が圧縮力を受けたとき、軸方向に耐えられる限界を超えると横方向にはらみ出しグシャッって感じで一気に壊れる現象です。

横座屈も基本的には同じで、H形鋼等が曲げを受けたとき、ねじれを伴って圧縮側のフランジが横へはらみ出しグシャッっといく現象です。

この現象を横補剛材で抑えるというですね。

そうです。横補剛とは、この横座屈を防ぐために横から支える部材です。一般的には小梁がその役割を果たします。

それでは横補剛について学んでいきましょう。

 

まず、横補剛には「梁に均等間隔で設ける方法」「梁端部に近い位置に設ける方法」があります。

<梁に均等間隔で横補剛材を設ける場合>

横補剛と梁の弱軸周りの細長比(座屈長さ/断面二次半径)λの関係
λ≦170+20n(400N/mm²級炭素鋼)
λ≦130+20n(490N/mm²級炭素鋼)
n:補剛数
基準強度が高いと大きな曲げモーメントを受けるため、それだけ横座屈しやすくなる

ということです。したがって梁をSN400Bから同一断面のSN490Bに変更すると横補剛の数は増えます。

 

<梁端部に近い位置に横補剛を設ける場合>

2次設計を行うと主に梁端部に降伏曲げモーメントが発生します。この降伏曲げモーメントを超える曲げモーメントが作用する塑性域に横補剛を設けます。

 

許容応力度設計による場合、圧縮材の中間支点の横補剛材は、圧縮材に作用する圧縮力の 2 %以上の集中力が加わるものとして設計し、力に耐えられるだけの強度と、変形しないよう剛性を有する必要があります。

 

横補剛材をいれると座屈長さが短くなり、細長比は小さくなるため座屈しにくくなります。細長比を計算式は下記です。
細長比λ=座屈長さℓk/断面2次半径i
断面2次半径=√(断面2次モーメントI/断面積A)

細長比が小さい方が座屈しにくいんでしたね。

細長比についてはこちら↓↓↓

yantate2336.hatenablog.com

横補剛材は、梁断面に影響するため構造計画上とても重要になってくる材です。

大梁や小梁との接合部の取り合いや、床段差がある場合の材のレベルなどうまく納まらないこともあるので注意が必要ですね。

 

今回は横補剛について最低限理解しておいた方が良い内容をサクッと勉強してみました。

それでは、焦らずコツコツいきましょう!

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