一級建築士独学diary 計画〜日本の住宅〜
本日も計画について勉強します。
前回は海外の有名建築〇〇邸だけに絞って、私の強引なイメージと共に紹介させて頂きました。
今回は日本の住宅について勉強していきます。
海外の作品と比べると設計者も建物も日本語なので少しだけ安心感があります。
だからといってスッと覚えられる訳でもないですが。
いくつか私の勝手なイメージを参考に紹介します。
- 立体最小限住宅(池辺陽)
第二次世界大戦後に合理性・機能性を追求し工業化を試みた15坪の実験住宅。吹き抜けを使い狭い空間を克服している。
この実験住宅というのが特徴ですね。
立体最小限住宅はNo.1〜95まで番号が振られNo.17が自邸となっています。
〇〇"邸"が付いていないものから入りましたがそれが特徴だと思って覚えています。 - 増沢洵邸(増沢洵)
木造2階建て極限小住宅。玄関がなく正面は全面開口と上部を吹き抜けとし狭さを補っている住宅。
9坪の住宅という事で、先ほどの立体最小限住宅の15坪と比較しても極限まで小さい住宅というのがわかりますね。
立体最小限住宅と増沢洵邸の2つはセットで覚えた方が良さそうです。
小さい住宅のうち、小ささが増すのが増沢邸、、ってな感じで。 - 原広司邸(原広司)
敷地の斜面にあわせ玄関からバルコニーまで降りていく中央吹抜けがあり、トップライトから自然光を取り込んでいる。閉鎖性があり「都市を埋蔵する」構成の住宅。
住宅の中に外部が入っているように感じる空間のようです。実際行って体験してみたいものです。私は近所の原さん宅に埋蔵金が隠されていると勝手に思いこんで暗記してます。 - 塔の家(東孝光)
三角形の狭小敷地に建つRC造。地下1階、地上4階で各階を機能別に分けた狭小住宅。
塔のような4階建と塔=東さんで、これは覚えやすいですね。 - 土浦亀城邸(土浦亀城)
白い箱の外観。木造乾式の住宅で居間の吹き抜けを中心とし、スキップフロアで連続した空間を構成している。
私は浦島太郎の風景で白い箱を開けたら亀がいて、なぜかスキップしてる(笑)イメージしてます。
その他自分なりのイメージを膨らませて覚えていきましょう。
海外の住宅、集合住宅は下記に記載しています。
海外の住宅:一級建築士独学diary 計画〜海外の住宅〜 - 1級建築士になる日までdiary
集合住宅1:一級建築士独学diary 計画〜集合住宅1〜 - 1級建築士になる日までdiary
集合住宅2:一級建築士独学diary 計画〜集合住宅2〜 - 1級建築士になる日までdiary
それではぼちぼちやっていきましょう!
一級建築士独学diary 計画〜海外の住宅〜
今回は計画について勉強していきます。
私が今まで一緒に試験を受けてきた仲間を見てて感じるのが、計画が得意な人は日頃から周りの建物に興味を持ち、建築家の名前や作品を調べたり建築巡りしているような建築が”好き”が溢れている人だと思います。やはりそういう人は計画のセンスがありますね。
ただ、建築好きにも色々あって、意匠、構造、設備、施工、企画、開発など色んな人がいます。私は構造分野の建築好きなので、目に見えない部分でみんなの安全を守るヒーローだと思っていますが、たまに華やかなデザインで脚光を浴びるセンスの良い意匠を見ると憧れてしまいそうになります。しかし無理にセンスがある人に対抗するのはやめました。長年建築やってきてようやく自分に美的センスがないのに気づいたので。
試験も自分の好きな構造で挽回して、計画は足切りにならないように過去問を必死に覚えるだけ!と割り切ってます。
必死に暗記しても結局、見たことも聞いた事もない作品が出題されるわけで、山勘で勉強しても当たるはずがないし、その時間を別に使う事にしました。
計画は本試験で1発目に出される科目なので、とにかく午前の試験が終わった段階でやる気だけはなくしてしまわないよう頑張っていきましょう!
本日は海外の作品について勉強します。
作品関連はなかなか頭に残らなくて暗記が大変です。人によって暗記のやり方が違うと思うんですが、せっかくなので私の暗記方法を参考にご紹介します。
- タッセル邸(V.オルタ)
アール・ヌーヴォー建築。アール・ヌーヴォーは曲線の芸術的なデザインで、鉄やガラスを用いて表現しています。
私は腰が曲がったオルタ爺ちゃんの重そうな荷物をもってあげて助ける、たすける、たっける、タッセル。。てな感じで覚えてます。
間違いやすいのがアールデコ。アールと言えば曲線のイメージですが、これは直線のデザイン。ヌーヴォーが一点ものに対し、デコが大量生産できるため、ヌーヴォーからデコへ変化していったらしいです。
これも勝手におデコが平たい人を想像して、"直線"と結び付けてます。 - ロビー邸(フランク・ロイド・ライト)
プレーリーハウス(草原住宅様式)で水平に広がる直線美が特徴です。
高さを抑え、大地に水平に伸びた直線でシンプルな住宅。
私はライトさんの家のロビーにプレーリードッグがちょっとだけ顔を出し、直線上に並んでるイメージをしてます。 - サヴォア邸(ル・コルビュジェ)
近代建築の五原則。「ピロティ」「屋上庭園」「自由な平面」「水平連続窓」「自由な立面」を実現している住宅。
私はフリーランスで成功したヴォアっとしたパーマ頭のコルビュジェさんが、ピロティに高級車を置き、屋上庭園や連続窓からガウン姿でワイン片手に外を眺めてるイメージしてます。 - シュレーダー邸(ヘリット・リートフェルト)
デ・ステイルの無彩色の青、赤、黄の三原色で直線で無装飾のシンプルな住宅。フェルトさんが住宅に信号機を取り付け、信号機から3色のレーザー光線を放ち住宅を守るイメージしてます。 - イームズ自邸(チャールズ、レイ・イームズ)
形鋼やスチールサッシの工業製品を用いた再組み立て可能な住宅。新建材でのローコスト住宅の実験企画で建てられたようです。
私はイームズさんが、スチールの家を組み立てながらムズ!って言ってるイメージをしてます。
ざっとこんな感じで、私は人の名前から勝手に人物像を創り上げ、単語を組み合わせてその人の行動等でイメージしています。
では本日のまとめとして、その他の邸宅もキーワードと一緒に簡単に書き留めておきます。
その他の日本の住宅、集合住宅は下記に記載しています。
日本の住宅:一級建築士独学diary 計画〜日本の住宅〜 - 1級建築士になる日までdiary
集合住宅1:一級建築士独学diary 計画〜集合住宅1〜 - 1級建築士になる日までdiary
集合住宅2:一級建築士独学diary 計画〜集合住宅2〜 - 1級建築士になる日までdiary
それでは頑張り過ぎずボチボチやりましょう!
一級建築士独学diary 構造 ~鉄骨造(S造)横補剛~
本日は横補剛について勉強していきます。
横補剛は梁の横座屈を防ぐ為の補強材です。
横座屈ってどんな現象??
座屈については幅厚比、細長比の回でも少し出てきましたね。座屈は材が圧縮力を受けたとき、軸方向に耐えられる限界を超えると横方向にはらみ出しグシャッって感じで一気に壊れる現象です。
横座屈も基本的には同じで、H形鋼等が曲げを受けたとき、ねじれを伴って圧縮側のフランジが横へはらみ出しグシャッっといく現象です。
この現象を横補剛材で抑えるというですね。
そうです。横補剛とは、この横座屈を防ぐために横から支える部材です。一般的には小梁がその役割を果たします。
それでは横補剛について学んでいきましょう。
まず、横補剛には「梁に均等間隔で設ける方法」と「梁端部に近い位置に設ける方法」があります。
<梁に均等間隔で横補剛材を設ける場合>
横補剛と梁の弱軸周りの細長比(座屈長さ/断面二次半径)λの関係
λ≦170+20n(400N/mm²級炭素鋼)
λ≦130+20n(490N/mm²級炭素鋼)
n:補剛数
基準強度が高いと大きな曲げモーメントを受けるため、それだけ横座屈しやすくなる
ということです。したがって梁をSN400Bから同一断面のSN490Bに変更すると横補剛の数は増えます。
<梁端部に近い位置に横補剛を設ける場合>
2次設計を行うと主に梁端部に降伏曲げモーメントが発生します。この降伏曲げモーメントを超える曲げモーメントが作用する塑性域に横補剛を設けます。
許容応力度設計による場合、圧縮材の中間支点の横補剛材は、圧縮材に作用する圧縮力の 2 %以上の集中力が加わるものとして設計し、力に耐えられるだけの強度と、変形しないよう剛性を有する必要があります。
横補剛材をいれると座屈長さが短くなり、細長比は小さくなるため座屈しにくくなります。細長比を計算式は下記です。
細長比λ=座屈長さℓk/断面2次半径i
断面2次半径=√(断面2次モーメントI/断面積A)
細長比が小さい方が座屈しにくいんでしたね。
細長比についてはこちら↓↓↓
横補剛材は、梁断面に影響するため構造計画上とても重要になってくる材です。
大梁や小梁との接合部の取り合いや、床段差がある場合の材のレベルなどうまく納まらないこともあるので注意が必要ですね。
今回は横補剛について最低限理解しておいた方が良い内容をサクッと勉強してみました。
それでは、焦らずコツコツいきましょう!
その他の鉄骨造関連は下記に記載しています。
一級建築士独学diary 構造 ~鉄骨造(S造)幅厚比・細長比~
今回は幅厚比・細長比について勉強します。
幅厚比・細長比はよく出てくる単語ですね。今までなんとなく読んでたけど、本当はなんて読むんだろう。はばあつひ・・?ほそながひ・・?
確かに、人前で堂々と間違えたら恥ずかしいですよね。
でも村尾さん、安心してください。あってますよ。
かっこつけて難しく読むと周りが「ん?」ってなります。
この類は大抵そのまんま読んだ方が自然で、自分も周りもわかりやすいです。
幅厚比・細長比とは、それぞれ薄っぺらい度合、細長い度合を表すものです。
鉄骨造は鉄で組み立てますね。
当たり前じゃん。
鉄は強度が大きいので、それほど大きな部材を使用しなくても大空間の間取りを構成できとても便利な材料です。
ですが反面、鉄は他の材料と比べ重いため、梁や柱で使う四角形や丸形の断面全てを鉄で造ると建物にも地盤にも大きな負荷がかかり設計上不利になります。
そのため、部材の断面性能はできるだけ確保したままで、極力鉄を省いた効率の良い部材としてH形鋼や中空の角形鋼管などが使用されています。
H形鋼や角形鋼管などの鉄骨部材は鋼板を加工して造られます。
ある程度厚みのある本と薄っぺらい下敷きをそれぞれ両側から手で挟んで押すイメージをして下さい。
薄っぺらい下敷きの方はちょっと押しただけで横へグニャっと曲がりますね。
鋼板も同じで薄っぺらい部材は圧縮力がかかった時に横へグニャっと曲がってしまいます。このグニャっを座屈といいます。
座屈は徐々に曲がって壊れるのではなく、限界を超えた時点で一気に壊れてしまうため、設計では座屈が生じないよう十分注意が必要です。
柱がこんな事になったら大変だ。想像しただけでもおそろしい‥
この座屈を起こさないために板厚に規定を設けたのが幅厚比であり、同様に座屈が起きやすい細長い部材には細長比として規定されています。
比の計算方法は、幅厚比=幅/厚、細長比=座屈長さ/断面二次半径で求めます。
・幅厚比が大きい→薄っぺらい→座屈しやすい
・細長比が大きい→細長い→座屈しやすい
以上を踏まえて勉強していきましょう。
- H形鋼の梁の設計において、板要素の幅厚比(幅/厚)を小さくする→厚みが増す→座屈が生じにくい。
- H形鋼は主にフランジは曲げモーメントを、ウェブはせん断力を負担する。
曲げモーメントを負担するフランジの方がより大きな板厚が必要なため幅厚比の上限値は、フランジよりウェブのほうが大きい。 - 柱及び梁に使用する鋼材の基準強度が大きくなるほど大きな力に対して局部座屈を防止しなければならないため幅厚比の制限値は厳しくなる。よって幅厚比の上限値はSN400BよりSN490Bのほうが小さい。
- 許容圧力応力度は座屈による影響が大きいため、柱材をSN400Bから同一断面のSN490Bに変更しても、細長比がSN400Bの限界細長比以上であれば、許容圧縮応力度は変わらない。
限界細長比とは弾性範囲から非弾性へ移行するときの細長比 - 柱の限界細長比は、幅厚比と同様に基準強度Fが大きいほど大きな力に対して座屈を防止しなければならないため細長比のの制限値は厳しくなる。よって細長比は基準強度Fが大きいほど小さい。
- 有効細長比 λ が小さい筋かい(λ = 20 程度)は、中程度の筋かい(λ = 80 程度)に比べて塑性変形性能が高い。(細長比が小さい→座屈しにくい→変形性能が高い)
以上が幅厚比、細長比の基本になります。座屈を起こさせないよう制限を設けていることを軸に学んでいけば、意味が理解できてくると思います。
他にも複雑な計算式があったりしますが、色々やりすぎると逆にわからなくなってやる気も削られるので(私は・・)
幅厚比、細長比について簡単ですがこの辺でおひらきにします。
焦らずゆっくり勉強していきましょう。
その他鉄骨造関連は下記に記載しています。
一級建築士独学diary 構造 ~鉄骨造(S造)角形鋼管柱~
さて今回は鉄骨柱の角形鋼管について勉強します。
鋼管というと丸形のイメージですよね。
角形鋼管ですから当然、四角形の鋼管ということはイメージつきます。
角形鋼管ってどっかで聞いたしたような・・・
よくぞ思い出した村尾さん。
計算ルートの勉強をした時に角形鋼管の話が出てきましたね。
確か、柱を角形鋼管にした場合に地震力の割増し等が必要でしたね。
そうです。柱に厚6㎜以上の冷間成形角形鋼管を使う場合には計算ルートによって基準が設けられていましたね。
計算ルートの復習はこちら↓↓↓
冷間成形とは常温で曲げて角形に加工したという意味です。
冷間といいつつ常温加工です。
冷間成形角形鋼管は主に3種類あります。
STKRはSS材を使用した角形鋼管で従来一般的な柱として使われていたJIS規格品です。
現在ではより質の高いBCR等の普及により使用頻度は少なくなってきています。
BCRはSN材と同等レベルの溶接性、靱性が確保された大臣認定品です。
STKR材より高価ですが、靱性に優れるためルート3で設計する場合には柱断面を小さくできるので品質、コスト、プラン的にもメリットがあり現在では一般的にこちらが使われています。
BCRの”R”は”ロール成形”という意味で一旦円形に加工した後に四角形に成形します。
BCPも同様にSN材と同等レベルの溶接性、靱性が確保された大臣認定品でBCRよりも強度が高く、大きなサイズも製作可能であるため大規模建築に使用されることが多いです。
BCPの”P”は"プレス成形"という意味で、平らな鋼材をプレスして角部を成形したあとに溶接でつなぎ四角形にします。BCRは円形を四角形にするので全体を加工してますが、BCPは角部分のみの加工ですので鋼材への影響も少ないです。
以上が角形鋼管柱の基本です。この3種類の特徴を理解することが大事ですね。
角形鋼管はこのような特徴と計算ルートで設けられている地震力の割増し等の基準が重要なポイントです。
鉄骨は覚えることがいっぱいで頭がこんがらがりますね。
慌てずコツコツいきましょう。
その他鉄骨造関連は下記に記載しています。
一級建築士独学diary 構造 ~鉄骨造(S造)柱脚~
本日は鉄骨造(S造)における柱脚について勉強していきます。
柱脚は鉄骨の柱と鉄筋コンクリートの基礎の異種構造を接合します。そのため力の伝達に対する考え方も複雑になり、鉄骨、鉄筋のおさめも複雑になります。
過去の地震による被害実績からも柱脚部における被害が多く確認されており、設計上・施工上においても注意しなければならない部分です。
足元ふらついてる歩いてる人って危なっかしいですよね。やっぱり足元はしっかり固めておきたいですね。
申し遅れましたタンクトップのおやじ受験生の『村尾』です。たまにつぶやきますので宜しくお願いします。
鉄骨造の柱脚形式は次の3種類があります。
- 露出型
- 根巻型
- 埋込型
露出型は、ベースプレートを介してアンカーボルトにより基礎と接合する形式です。ピン接合の設計で力の伝達が明快であるため多用された形式ですが、過去の被害状況から完全ピン接合ではなく柱脚に生じる曲げモーメントを適切に考慮した設計へ見直しがされていて、計算ルート別に設計フローがあります。
根巻型は、下部構造から鉄筋コンクリート柱に鉄骨柱が包み込まれた固定柱脚です。力の伝達は根巻頂部、脚部の支圧により伝わります。根巻頂部へ大きな集中力が作用するため帯筋により補強します。軸力はベースプレートから直接下部へ伝わります。
埋込型は、下部の鉄筋コンクリートに埋め込まれた固定柱脚です。力の伝達は根巻型と同様に埋め込まれた部分の上部と下部の支圧により伝わります。軸力はベースプレートから直接下部へ伝わります。
実際、鉄骨造の設計を行う際には、それぞれの考え方を理解したうえで十分注意しなければならない部分ですね。
今回は試験勉強なので、基本的なところから勉強していきます。
- 露出柱脚の最大せん断耐力は、
露出型柱脚の最大せん断耐力Qu=max(Qfu,Qbu)
Qfu:摩擦により抵抗するせん断耐力 Qbu:アンカーボルトのせん断耐力
「摩擦により抵抗するせん断耐力」と「アンカーボルトのせん断耐力」の大きいほうとする。 - 露出柱脚において、ベースプレートの厚さはアンカーボルトの径の1.3倍とする。(建告第1456号)
- 露出柱脚において、ピン接合で設計すると上部構造に対しては安全側であるが、柱脚部に対しては危険側の設計となる。柱脚部の形状に応じた半曲点高比を考慮し曲げモーメントを適切に評価する。
- 露出柱脚において、伸び能力のあるアンカーボルトとして使用するJSS規格「建築構造用切削ねじアンカーボルト」やJIS規格「建築構造用転造ねじアンカーボルト」がある。このアンカーボルトは軸部が塑性変形するまでねじ部が破断しない性能を有している。
- 根巻柱脚において、鉄骨柱の曲げモーメントは根巻頂部で最大となり、ベースプレートに向かって小さくなる。ベースプレート下面には根巻鉄筋コンクリートに作用する曲げモーメントが生じるため、根巻鉄筋コンクリートより上部の鉄骨柱に作用するせん断力よりも、根巻鉄筋コンクリート部に作用するせん断力のほうが大きい。
- 根巻柱脚において、柱脚の応力を基礎に伝達するため、根巻鉄筋コンクリートの高さは鉄骨柱せいの2.5倍以上とする。(建告第1456号)
- 埋込柱脚において、鉄骨柱の応力はコンクリートに埋め込まれた部分の上部と下部の支圧により基礎に伝達する。
- 埋込柱脚において、鉄骨柱の剛性は基礎コンクリート上端から1.5D(D:柱せい)下がった位置で固定されたものとして算定する。
- 埋込柱脚において、鉄骨柱の埋込長さは基礎コンクリート上端から2D(D:柱せい)以上とする。(建告第1456号)
- 埋込柱脚において、埋込部分の鉄骨に対するコンクリートのかぶり厚さは鉄骨柱の幅以上とする。(建告第1456号)
ちょこちょこ建告第1456号というのが出てきてるけど、これは何だろう?
建告第1456号とは、平成12年に鉄骨造の柱の脚部を基礎に緊結する基準を定めた告示です。
それぞれの柱脚形式における基準が記載されています。構造計算を行うことで一部除外できます。
ではどんなことが書かれているか簡単に列記します。
本日は鉄骨造における柱脚設計の基本的な考え方、基準についてに勉強しました。
冒頭でも述べたように柱脚は過去の地震で大きな被害をうけています。
地震が多発する日本の建物を設計するうえでは、よく理解しておかなければならない部分ですね。
慌てずコツコツいきましょう。
その他鉄骨造関連は下記に記載しています。
一級建築士独学diary 構造~鉄骨造(S造)計算ルート~
本日は鉄骨造の構造計算ルートを勉強していきます。
まずは構造計算の基本的な流れを書いてみます。
1.構造計算要否の確認
1)構造計算が不要(4号物件)→ 仕様規定へ
2)構造計算が必要→1次設計(許容応力度計算)→規模等による計算ルート選択
2.計算ルート選択
①H≦13m・軒の高さ≦9mの場合→ルート1ー1 or ルート1ー2
②H≦31mの場合→層間変形角≦1/200→剛性率・偏心率・塔状比の確認→ルート2
③31m<Hの場合→層間変形角≦1/200→ルート3
④60m<Hの場合→大臣が定める構造計算
もう少し詳しく図で表現するとこんな感じです。
まだまだ細かい基準はたくさんありますがわかりやすく単純化してます。
1次設計は中地震(震度Ⅳ程度)に対し損傷しないこと、2次設計は大地震(震度Ⅵ~Ⅶ程度)に対し倒壊しないことを目的とした構造計算による設計です。
構造計算の中身を理解するのはなかなか難しいですが、どのような検討して建物の安全が確認されているかということくらいは建築に携わるものとして知っておきたいですよね。
- 1次設計では長期(常時、積雪時)、短期(風、地震、積雪時)の計算により求めた部材断面に生じる応力度が許容応力度を超えないこと、変形・振動による使用上の支障が生じないこと、屋根ふき材が風圧に対して安全であることの確認を行う。
- ルート1-1・ルート1-2は比較的小規模の建物に用い、標準せん断力係数Coを0.3以上として地震力を割増しして行う強度型の設計である。
- ルート1-1・ルート1-2において柱を厚さ 6 mm以上の冷間成型角型鋼管とする場合、鋼管の角部分が塑性化し靭性が低下するため、ルート毎に規定が定められている。そのため地震力を割増しして断面検討する。
- ルート1-1・ルート1-2において柱を厚さ 6 mm以上の冷間成型角型鋼管とする場合の種類別応力割増し係数を下記に示す。割増し係数が小さい鋼管の方が強度が高いということ。
- ルート1-1・ルート1-2においては水平力を負担する筋かいの端部及び接合部を保有耐力接合とする。
保有耐力接合とは、建物の変形能力を十分に発揮するため接合部が先に壊れないよう接合部の破断耐力を部材の終局耐力より大きくすること。
- ルート1-2においては柱等の耐震要素の配置バランスを偏心率0.15以下によって確認する。
- ルート 2においては剛性率(0.6以上)・偏心率(0.15以下)・塔状比(4以下)を確認する。
縦長の建物は転倒しやすくなるため塔状比(H/W)が4を超えないよう確認する。
- ルート2において6 mm以上の冷間成型角型鋼管の柱に対する規定は、局部崩壊とならないよう柱より先に梁に塑性ヒンジを発生させるため、柱の曲げ耐力≧1.5×梁の曲げ耐力とし全体崩壊形とする。(最上階の柱頭部及び 1 階の柱脚部を除く)
- ルート 2においては、筋かいが負担する水平力の分担率に応じて地震時の応力を割り増しする
筋かいが水平力を負担する割合が多いとラーメン構造の復元能力が低下する。そのため筋かいの水平力分担率に応じて応力を割増して断面検討を行う。
β≦5/7→α=1+0.7β β>5/7→α=1.5
β:水平力分担率 α:割増し率
- ルート3において、柱を厚6mm以上の冷間成型角型鋼管とする場合、全体崩壊形とならない場合は柱の耐力を低減して計算した保有水平耐力が必要保有水平耐力以上であることを確認する。
- ルート3において、構造特性係数Ds値は、部材群の種別、筋かいの有効細長比の種別、保有水平耐力負担率で決まる。部材群の種別は柱・梁の幅厚比で求める。
- 1つの建物で張り間方向、桁行方向で異なる計算ルートを採用できる。
階毎ではできない。
今回は鉄骨造(S造)における1次設計→ルート選定→2次設計の基本的な流れと、計算ルートにより異なる設計方法についての勉強でした。法令とともに学びたいところですが、無理せずコツコツいきましょう。
その他の鉄骨造関連は下記に記載しています。